感想

ネタバレが多い

乗代雄介『生き方の問題』(群像2018年6月号)5

なんか話がとっちらかってきちゃったな。今回で終わりにしましょう。 適切な引用ができているのかすらわからなくなってきましたし、「想像の悪」に関してはよくわかりません。そもそもほとんどのことがよくわからない。わかったふりをする技ばかり磨いている…

乗代雄介『生き方の問題』(群像 2018年6月号)4

シーモアの言うとおり、ゲティスバーグで演説をするときは「聴衆に向って拳を振って、そしてそのまま退ってゆくのが本当だ」としたら、書かれている意味内容を追体験させるための修辞は本質的には無意味なものになるように思えます。 "一般に、私達の日常に…

乗代雄介『生き方の問題』(群像 2018年6月号)3

前回の記事の最後に「簡潔であることや平易であることを美徳とするなら」と書きましたが、考えてみるとそのような前提を置く必要はまったくありませんでした。勢いで適当なことを書いてしまいました。 とは言っても、交流それ自体を目的とする人間同士の会話…

乗代雄介『生き方の問題』(群像 2018年6月号)2

"歴史を遠ざけよ。同時性の状況に立つのだ。これが基準である。私が同時性を基準にして物事を裁くように、私もまた裁かれるのである。背後に流れる無駄話はすべて幻想だ。" (キェルケゴール) 『生き方の問題』の冒頭にエピグラフとして引用された、デンマー…

乗代雄介『生き方の問題』(群像 2018年6月号) 1

【文芸時評】8月号 早稲田大学教授・石原千秋 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/life/amp/180729/lif1807290016-a.html 「文学は体制を批判するもの」なんて言い切ったら、文学は一気につ…

北条裕子『美しい顔』(群像 2018年6月号)

今年の6月に「お、乗代雄介の新作が載ってるじゃん」と思って買った群像に、群像新人文学賞受賞作としてものすごい小説が掲載されていて度肝を抜かれてしまいました。 北条裕子の『美しい顔』は、群像新人文学賞の受賞後、芥川賞にもノミネートされ、受賞の…

野田秀樹『エッグ』

歌人としての寺山修司を評して、穂村弘は "寺山はイメージのコラージュによって幻の〈私〉を創り出した。その根底にあるものは、現に感受された個人的違和の、他者に共感可能な最大公約数的イメージへの強引な転換にほかならない。(中略)大滝や水原が表現の…

野田秀樹『オイル』

劇作家・演出家・俳優である野田秀樹による戯曲『オイル』は、戦後間も無くの島根県にやって来たGHQと島根県民の間に起こる軋轢と、大和神話が出雲神話に対して国の明け渡しを迫った「国譲り」のエピソードをドラマチックに掛け合わせて展開したものです。 …

世阿弥『風姿花伝』3

過去二回に渡って風姿花伝について感想を書いてきましたが、今回で終わりにしようと思います。最後は、風姿花伝の中に度々登場する「花」という文言に関して感想を書きます。 「花」が風姿花伝の中で初めて触れられるのは、『年来稽古条々』の『十二三より』…

世阿弥『風姿花伝』2

前回『年来稽古条々』から、不遇の時期に芸道を歩む姿勢について感想を書きました。 風姿花伝ではそういった抽象的な話から、細かい能の技術まで論じられています。 "およそ、女がかり、若き為手のたしなみに似合ふ事なり。さりながら、これ、一大事なり。 …

世阿弥『風姿花伝』1

大体の人が中学や高校の授業で習う、あの世阿弥です。能を大成したといわれるあの人です。風姿花伝といえば「秘すれば花」という言葉がかなり有名で、そのあたりは知っている人も多いのではないかと思います。 "およそ、家を守り、芸を重んずるによつて、亡…

阿部共実『ちーちゃんはちょっと足りない』

感想を書くブログを始めたら、この漫画の感想はいつか書こうと思っていたのですが、いざ書こうとするとめちゃくちゃ書きづらいです。書きづらいわりに、今、読んで感じたことをなにか形にしないともやもやして仕方ない気持ちにさせられています。 余白は十分…

こだま『夫のちんぽが入らない』

こだまさんという主婦の方が18歳で一人暮らしを始めてから38歳になるあたりまでの20年を振り返って書いた私小説です。入らないらしいです。 インターネットを中心にかなり話題になってます。amazonの書籍部門ランキング1位になってました。 まず、めちゃく…